小さな車輪のロボットと、大きくて曲がり方がちがうロボットを、同じせまい通路で走らせるとします。「右に曲がる」という命令だけでは、二台が同じように進むとはかぎりません。ジードン・ワンさんたちの研究チームは、形や動き方がちがうロボットに、一つの道案内のしくみを使えないか考えました。
研究者は、動いた後に周りの景色がどう変わるかを予想するモデルを使いました。これを世界モデル[1]と呼びます。でも、景色の予想だけでは十分ではありません。それぞれのロボットが、どれくらい曲がれるか、どう進むかという情報も組み合わせました。道が空いていても、ロボットがそこへ曲がれなければ通れないからです。
コンピューターの試験では、五つの動き方に分かれる七台のロボットを使いました。新しい方法は、比べた一部の方法より、成功する割合が3.8から10.6ポイント高くなりました。さらに研究者は、実物のロボットを三分間だけ人が動かして、その動き方を調べました。その後、初めての室内で道を進めるか試しました。
共通部分をつなぐのは、機体が動くことで生じるカメラ視点の変化です。世界モデルは異なる機体のデータから学び、それぞれの機体には物理パラメーターを調べた簡略な運動モデルを用意します。経路を予測するとき、命令をまず機体の運動モデルに通し、その結果を世界モデルへ渡します。これにより、曲がり方や加速の違いを考えながら、一つの制御方針を使えます。機体ごとに別々の方針を一から学ぶ必要を減らす設計です。
ただし、階段やどんな乗り物にも使えると分かったわけではありません。研究は主に平らな地面での移動を考えています。ロボットの体のちがいを無視せず、同じ道案内のしくみを分け合えるかが研究の中心です。
問題は、通れる場所が見えるかどうかだけではありません。ロボットごとに曲がり方、止まり方、加速の仕方が違います。部屋の景色だけを考えると、実際には曲がれない道を選ぶかもしれません。研究者は、共通の世界モデルに、それぞれの機体の動き方を表す小さなモデルを組み合わせました。全員に同じ命令を送るのではなく、周りの情報を共有しながら体の違いも考える方法です。
実機では三分間の手動走行で機体の特徴を調べ、初めての室内で移動を試しました。ただし平らな地面という前提があり、階段や急な斜面での利用は確認されていません。数値上の改善は仮想環境での比較であり、実機試験とは分けて評価する必要があります。
実物のロボットでは、三分間だけ人が動かして特徴を調べました。ただし、これは設置全体の時間ではなく、階段での試験でもありません。新しい機体を少し動かすだけで、共通の道案内がどこまで役立つかを考えさせる実験です。


